Comme Des Garçons Homme Plusってどんなブランド?|コムデギャルソン・オムプリュス


2025AW 引用wwdjapan.com

こんにちは。ブランド古着のKLDです。

川久保玲の考える男性像を、服を通して提案し続けるコムデギャルソン・オムプリュス。

奇抜なシルエット、反骨精神に満ちたディテール、コンセプチュアルな演出など、常に独自性を生み出す攻めた姿勢が魅力のブランドです。

今回は、

  • Comme Des Garçons Homme Plusとは
  • 過去の象徴的なコレクション
  • 買取について

という形でお話していきます。

コムデギャルソン・オムプリュスは、毎シーズン挑戦的な試みや、明確かつ強いメッセージ性などを反映したコレクションを発表しています。

本記事では、ブランドを象徴する「名作コレクション」をメインに紹介していきます。

Comme Des Garçons Homme Plusとは


2018AW 引用fashion-press


2023AW 引用wwdjapan.com


2025SS 引用wwdjapan.com

COMME des GARCONS homme plus(コムデギャルソン・オムプリュス)は、COMME des GARCONS(コムデギャルソン)から1984年に創設されたメンズのコレクションラインです。

プリュスとはフランス語で「最上位」を意味し、同ブランドの中でもっともハイエンドなラインとして位置付けられます。

メンズウェアのオーセンティックな要素を押さえながらも、既存のスタイルにとらわれない遊び心にあふれたデザインがプリュスの特徴です。


テーマ「裸の王様」に付随したビニール製の透明なアイテムが登場した2017SS 引用fashion-press

毎シーズン、コレクションテーマに付随した加工やデザインが注目を浴びています。

過去のコレクションでは、フリルや脱色、縮絨加工などを施した名作アイテムを数多く輩出してきました。

素材やパターンだけではなく、ピンクやゴールドなど、意外な色の組み合わせによるアプローチも注目したい点です。

デザイナーはコムデギャルソン創立者の川久保玲氏。


川久保玲 引用wwdjapan.com

自由と反骨精神を糧にアバンギャルドなクリエイションを提示してきた、モードの世界で確固たる地位を築いている女性です。

「黒の衝撃」や「ボロルック」といった既成概念を壊す彼女のアプローチは、ファッション史に多大な影響を与えてきました。

プリュスはメインラインのコムデギャルソン同様、川久保玲の思想をダイレクトに表現する攻めたブランドとして、自由を着る男性たちから愛され続けています。

過去の象徴的なコレクション

アバンギャルドで独創的なファッションを好む世界中のファンから支持されているコムデギャルソン・オムプリュス。

ここからは、プリュスの過去の象徴的なコレクションについてお話します。

1986SS 初期 スタッフコートの登場


引用instagram@myclothingarchive

1986SSは、ブランド初期の重要なコレクションの一つ。

初期のプリュスらしいパワーショルダーのテーラードジャケットを多く発表しているのが特徴です。

また、今や定番化した「スタッフコート」が登場したシーズンとしても知られています。


引用instagram@myclothingarchive

背面にブランドロゴがプリントされたスタッフコートは、シンプルでありながらも一目でそれとわかる存在感が魅力です。

元々スタッフコートはモデルやスタッフが着用していたもので、当時は一般向けに販売されていませんでしたが、ファンの間で話題を呼び商品化されました。

現在は2018年からスタートしたラインであるCDGの主力商品になっています。

1986年のスタッフコートは長年コレクターの間で人気を博しており、現在は市場に出回ることが珍しいアイテムとなっています。

1987AW 布の実験


引用instagram@myclothingarchive

1987AWは、それほど知名度の高いシーズンではありませんが、コアなファンの中では支持されているコレクションです。

伝統的なテーラードスタイルに、独特のカッティングやディテールを加えた、革新的なデザインが発表されました。


引用instagram@myclothingarchive

このシーズンには裏地に青や緑などのカラーが使用された、リバーシブルで着用できるジャケットやベストも登場しています。

1992SS Ethnic


引用instagram@myclothingarchive


引用instagram@myclothingarchive

1992SSは、エスニック調の柄やラインなどが入ったアイテムが特徴的なシーズンです。

素材を洗って色を落とし、シワ加工することにより、ガサガサとした感触を生み出して自然なエスニック感を表現しています。


引用instagram@myclothingarchive

よりエスニックを強調させるため、チベットやグアテマラなど現地の民族服をコーディネートに使用している点にもこだわりを感じます。

また、転写プリントも用い、複雑なデザインをフルカラーで表現しているアイテムも印象的です。


クロムハーツの創設者リチャード・スタークもランウェイに登場 引用instagram@myclothingarchive

1993AW Artist in his studio(通称 脱色期)


引用instagram@myclothingarchive

1993AWは、世界の芸術家がランウェイに登場し、アーカイブとして国内外問わず人気のあるシーズンです。

ブリーチ加工(脱色)を施したアイテムが豊富に登場することから、通称「脱色期」と呼ばれています。

京都の絞り染めの手法で脱色したという、大胆なアイデアによって生まれた、味のある配色が魅力です。

特に、脱色シャツや脱色ジャケットは、現在ではなかなか手に入りにくい貴重なアイテムとなっています。


引用instagram@myclothingarchive

また、この脱色期は初めて明確なテーマを打ち出し、独自の表現をより確実なものにし始めたシーズンでもあります。

1994AW offbeat humor(通称 縮絨期)


引用instagram@myclothingarchive

1994AWは、90年代のプリュスの中でも特に名コレクションとして知られています。

ブランドを象徴する加工である「縮絨加工」を初めて取り入れたのがこのシーズンです。

ウール素材を縮絨加工して、意図的にシワや毛羽立ちを表現した、ブランド独自の美を提示したアイテムが話題を呼びました。

縮絨加工は本来であれば服を作る前の生地作りの段階で行うものですが、コムデギャルソンでは製品になった状態から縮ませるという斬新なアイデアを採用しています。

また、通常とは異なるライブ感溢れるショーも1994AWにおいて注目したいポイントです。


引用instagram@myclothingarchive

「OFFBEAT HUMOR」をテーマに、南仏のサーカス集団やミュージシャンらがモデルを務め、ステージ上で跳びはねたり躍ったりと、従来のショーとは一線を画す明るいステージとなりました。

1997SS Check


引用instagram@myclothingarchive

1997SSは、多くのチェック柄が登場したシーズンです。

シャツやジャケットなど、アイテムのベースはクラシックながらも、大ぶりなチェック柄を用いて新鮮なトラッドスタイルを提案。


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次シーズンのバイアス期につながるような、斜めチェックのデザインが見られたのも特徴です。

レッドやイエロー、グリーンなど鮮やかな色にあふれ、強烈なインパクトとともに高揚感が漂うランウェイとなりました。

1997AW Magic of bias(通称 バイアス期)


引用instagram@myclothingarchive

ほぼ全てのアイテムにバイアス生地を使用している、通称「バイアス期」。

アーカイブとしての価値が高く、コアなファンから根強い支持を集めるシーズンです。

バイアスとは、布のタテ地とヨコ地に対して斜めに裁断した生地のことを指します。

バイアスカットによる柔軟性のある生地感を、プリュスらしいモードに落とし込んでいるのが特徴です。

前シーズンから続く、斜めのチェック柄を大いに用いているのも非常に印象的です。


アレキサンダー・マックイーン 引用instagram@myclothingarchive

また、アレキサンダー・マックイーンがモデルとして登場したことでも話題になりました。
この出演には、ショーの数日前に本人自ら申し出たというエピソードがあります。

1998AW Inside Outside


引用instagram@myclothingarchive

「インサイドアウトサイド」と呼ばれる、通常内側にくるシームを外側に見えるようにした、表裏逆のデザインを発表したシーズンです。

縫い代を表面に出すことで、通常は隠される構造そのものがデザインとして際立っているのがインサイドアウトサイドの特徴。

服の内側の美しさやディテールに焦点を当てるという、ギャルソンならではの美学を体現しています。


引用instagram@myclothingarchive

マルジェラも使った手法でありながらも、プリュスらしい独創性を加えたラインナップは、現在も熱い支持を得ています。

1999SS Secret Treasure(通称 フリル期)

引用instagram@myclothingarchive

プリュスの中でもトップクラスの人気を誇る、1999SSの通称「フリル期」。

まだまだフリルがレディースのディテールだとされていた時代、それをメンズのアイテムに昇華し、ジェンダーレスなコレクションを発表しました。

引用instagram@myclothingarchive

なかでも、裏地にフリルがあしらわれたデザインや、リバーシブルで着用できるジャケット、ブルゾンが代表作として知られています。


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前シーズンのインサイドアウトサイド的なニュアンスが感じられるのも興味深いポイントです。

1999AW Souvenir Kitsch(通称 エルメス期)

引用tenpomap.blogspot.com

1999AWのスーベニールキッチュ期も、プリュスの中で非常に人気の高いシーズンとなっています。

エルメスの工場で作られたスカーフを使用していることから、ファンの間では別名「エルメス期」とも呼ばれています。


引用tenpomap.blogspot.com

「スーベニール(お土産)」と「キッチュ(安っぽい)」を組み合わせた言葉通り、観光地にありそうなチープ感のある小物を使ったアンバランスなスタイリングが印象的。


引用tenpomap.blogspot.com

このシーズンでは他にも、太めのステッチをデザインとしたジャケットや、反転ロゴといった名作も登場しています。

2000SS 進化する色(通称 ゴブラン期)


引用instagram@myclothingarchive


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2000SSは、ゴブラン織を落とし込んだアイテムが多く登場した通称「ゴブラン期」。

ファッション業界やヴィンテージ市場で特に注目を集めているコレクションです。

黒のイメージが強い川久保玲が、様々な優しい色味をメンズウェアに落とし込む試みを披露。

ランウェイでは、ゴブラン織りのパッチワークを施したジャケットやシャツが特に目立っていました。


引用instagram@myclothingarchive

また、一点一点ゴブラン織りの配置が異なっているのも、希少価値が上がる要素です。

2006SS リップ&タン


引用tenpomap.blogspot.com

2006SSは、世界的ロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ」とのコラボレーションコレクションです。

ザ・ローリング・ストーンズのアイコン「ベロ・マーク」こと「Lips and Tongue」を大胆に落とし込んだアイテムを発表。


引用tenpomap.blogspot.com

リップ&タンのアイコンがジャケットやシャツ、パンツ、スニーカー、サングラスまで全身に施されました。

また、メンバーのサイン入りアイテムも登場し、UKロックファンの間でも話題になったようです。

2011AW Decadence


引用wwdjapan.com

現在でも多くのファンやコレクターから愛されているコレクションの「デカダンス期」。

ヴィンテージ感や古着っぽさが際立つアイテムが多数登場し、名シーズンとして評価されています。


引用wwdjapan.com

コレクションのルックには、レトロなTシャツを繋ぎ合わせたリメイクデザインも多数登場。
次々と異なるモチーフがランウェイに現れました。

ブランドの持ち味である加工手法もふんだんに用いられ、退廃的(デカダンス)でありながら、華やかな印象を放つコレクションです。

2018SS “服の哲学”に触れるショータイム


引用fashion-press

2018SSは、エンターテインメントな演出と川久保玲の考える服の哲学を反映した独創的なシーズンです。

テーラードジャケットを軸としたアイテム構成で、印象強い柄や色、スパンコールなどを用いた派手なデザインを披露。


引用fashion-press

裏返しにアレンジした、インサイドアウトサイドのデザインが中心なのも特徴的です。

普通に着ていると隠される裏面に、あえて凝った装飾を施した手法からは、「中身が大事」というデザイナー川久保玲の思想が改めて感じられます。

2021SS METAL OUTLAW


引用wwdjapan.com

2021SSは、新型コロナウイルスの渦中に開催されたシーズンです。

テーマに「メタルアウトロー」を掲げ、メタルを用いたアイテムが多数登場しました。

宇宙服のようにギラギラした化繊から、アルミホイルのようなシワっぽいもの、箔をプリントした素材まで、服にメタリックなポイントを取り入れて、逆境を乗り越える強さを表現。

ただでさえ服が売れないパンデミックの中、攻めたアプローチで服を発表する川久保玲の強い姿勢が感じられるコレクションとなりました。

買取、中古相場について

ここまで、コムデギャルソン・オムプリュスというブランドの魅力についてお話してきました。
ここでは、中古相場について少しだけお話していきます。

コムデギャルソン系列ブランドの中で、メンズの最上位に位置するブランドということで、コムデギャルソン・オムプリュスのアイテムは中古市場で総じて高い評価を得ています。

最新のコレクションは常に注目されており、新しいものが評価されるのはもちろん、今回ご紹介したような過去の伝説的なコレクションに関しては、貴重なものが多く、プレミア的な人気があります。

コレクションを見ると派手な印象が強いブランドですが、ジャケットやシャツなど日常的に着やすいアイテムも多く、そういったものも根強い人気がありますので、安定したお値付けが可能です。

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ここまで読んでくださった方へ

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

シーズンごとに大胆なテーマを掲げ、メンズウェアの新しい挑戦を発表し続けるコムデギャルソン・オムプリュス。

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ありがとうございました!


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