大阪・関西万博に行ってみた|フランスパビリオン

こんにちは。ブランド古着のKLDです。

2025年4月23日、世界中の最先端技術や伝統が交差する、一大国際イベント『大阪・関西万博』に行ってきました。

今回は、KLDでも積極的に取り扱っている「ルイ・ヴィトン」「ディオール」「セリーヌ」の特別展示をおこなっている『フランスパビリオン』を取材してきました。

大阪・関西万博とは

まず、大阪・関西万博について、さらっと説明します。


公式キャラクターのミャクミャク 引用itmedia

2025年大阪・関西万博は、2005年の愛知万博以来20年ぶり、関西では1970年の大阪万博以来55年ぶりの開催となります。

テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。

万博会場を「未来社会の実験場」として、AIや最先端技術、SDGsに関する展示が行われています。

東京ドーム33個分の敷地に、158か国・地域+7国際機関のパビリオンが人工島・夢洲に立ち並んでいます。

開催期間は、2025年4月13日~10月13日の184日間です。

フランスパビリオンの位置

フランスパビリオンは、マップでいうと「P12」の場所に位置しています。

東ゲートを通り、大屋根リングを抜けると、比較的すぐにフランスパビリオンが現れます。


大屋根リング

予約不要のパビリオンなので、待ち時間は長いのかと思いましたが、午前中かつ天気が良くなかったこともあり、待ったのは20分ほどでした。

テーマは「愛の讃歌」

フランスパビリオンのテーマは「愛の讃歌(Un Hymne à l’Amour)」。

「自分への愛」「他者への愛」「自然への愛」をモチーフに構成されています。

最先端技術を大々的に披露します!という感じではなく、“愛”にフォーカスしているのが特徴です。

また、「赤い糸」「手」「鼓動する心臓」という3つのトピックスも“キー”となっています。

とくに、日本で独自に発展した運命的な「赤い糸」は、フランスと日本を繋ぐ絆を表現しています。

さらに、パリにあるロダン美術館から本物をもってきたという、フランスの彫刻家、オーギュスト・ロダンの作品『手』が随所に飾られているのも見所です。

大きな螺旋階段が印象的な建物

建物の目玉は、正面の外観を形作り、展望台へと続く螺旋状の銅板階段です。

このピンクゴールドの階段は、「赤い糸」にちなんで作られたそうです。

建物の前にあった彫刻には「赤い糸」が絡まれています。


ベーカリーショップの列

また、本パビリオンにはベーカリーショップもありました。

いざ入館

待っている間は、この万博のためにつくられたオリジナルムービー(?)を見たり、美しい螺旋階段を上ったりして、ワクワク感が高まりました。

そして、いよいよ中へ。

入ってすぐ、本パビリオンの“キー”の一つである「鼓動 PULSATION」という文字に迎えられます。

“ドクドク”という鼓動の音響も演出として加えられていて、これから見る世界への期待感が膨らんでいきました。

スクリーンには、パートナー紹介などが流れていました。

フランスパビリオンでは、4つの主要パートナーがサポートしており、メインパートナーを務めるのがLVMHグループです。

足を進めてさっそく目に入るのは、ジブリの『もののけ姫』の1シーン「呪いの傷を癒やすアシタカ」を織ったタペストリーと、パリのノートルダム大聖堂のキマイラ像。

このタペストリーは、タペストリー産業の街として知られるフランス中部・オービュッソンで、職人が約1年もかけて織り上げたものだそうです。

高さ5メートルもあるダイナミックな雰囲気ですが、木や岩の影、自然光がさす感じなど、非常に細かい部分まで再現されていて、繊細だけど何かパワーのようなものを感じました。

このキマイラ像は、2019年のノートルダム大聖堂の火災で奇跡的に焼失を免れた彫刻です。

ルイ・ヴィトン

次に足を進めると、開幕前から注目されていたルイ・ヴィトンのセクションに移ります。

部屋には、135個の約2億7千万円分ものトランクがずらりと展示されています。

「創業者ルイ・ヴィトンが旅行用トランクの職人としてブランドを発展させた」というエピソードは有名ですよね。

トランクの中に設けられたスクリーンには、ルイ・ヴィトンの職人がどんな仕事をしているのかが紹介されていました。

金槌で“とんとん”と叩く音、ハサミで糸を切る音、金具を留める“カチ”っとする音など、すぐそこに工房があるかのような、リアルで心地よい音が鳴り響いていました。

ちなみに、伝統的な職人技を保存・蓄積・共有する演出から、この部屋は「クラフトライブラリー」と呼ばれているそうです。

中央辺りには、ロダンの『合わさる手』も展示されていました。

次に進むと、クラフトライブラリーとは対照的な暗い部屋に。


地球儀をあらわしているそうです

90個の「クーリエ・ロジーヌトランク」を組み合わせた巨大な球体は、直径6.6メートル、重さは13トンもあるそう。

近くで見るとかなりの迫力です。

回転しながら地球や自然などの映像を映し出しており、この世界の壮大さを“没入”しながら感じた気がします。

パ・ド・トロワ

次のセクションの区切りスペースには、ロダンの『守りの手』が。

この部屋では「パ・ド・トロワ(Pas de trois)」と呼ばれる、3人で踊るバレエパフォーマンスの映像が流れていました。


女性ダンサーは日本人

パリ中心部にある現代美術館「ポンピドゥー・センター」の屋上で撮影されたそう。

カーブした大きなスクリーンだからか、すぐ目の前でダンスしているような、とても臨場感のあるものでした。

カメラがダンスの動きに合わせて追うように撮っているため、躍動感もより感じられました。

庭園

次は、池が中央にある広々とした庭園にやってきました。

この日は天気が曇りでしたが、晴れていたらもっと綺麗な風景だったと思います。


どうやって運んだのか…

こちらはフランスから持ってきたという樹齢1000年のオリーブの木。

重さ約4トン、根の長さは2メートルにも及ぶそうです。

この庭園には、ロダンの『分かち合う手』が展示されていました。

本パビリオンのテーマに含まれている「自然への愛」を感じるセクションですね。

モエ・ヘネシー

庭園を抜けると、モエ・ヘネシーの部屋へ。

入口付近には、ロダンの『形作る手』が展示されていました。

天井の高い円状の部屋に入ると、巨大なブドウのライトが吊るされていました。

モエ・ヘネシーのモエ・エ・シャンドンで使用されているブドウの品種でしょうか。

中央の大きなテーブルには、ワインの産地アルザス地方のブドウの生育からワインづくりをアニメーションで紹介。

入口を内側から見るとシャンパンボトルの形になっていたり、天井はシャンパンのコルクのような見た目になっていたり…。

LVMHグループの中核の一つであるモエ・ヘネシーを印象付ける空間でした。

ディオール

次は、こちらも開幕前から注目されていたディオールのセクションです。

入ってまず目を惹いたのが、赤・白・青のトリコロールカラーの「バー」スーツ。

1947年に発表された「バー」スーツを原型とし、2024年に復刻したオリジナルモデルです。

隣に展示されているのは、1949年にクリスチャン・ディオールがデザインし、2024年のパリオリンピックで復刻したトリコロールカラーの『アンフォラ ボトル』。


2021年の「THE DIOR MEDALLION CHAIR」プロジェクトで吉岡さんが制作した椅子

サイドには、世界的に活躍するデザイナー、吉岡徳仁さんの「メダリオンチェア」も展示されていました。


ライトに当たった影が綺麗ですね

364枚の透明樹脂プレートを不規則に積層し、自然光のような輝きを表現しているそうです。

ちなみに、「メダリオンチェア」は、クリスチャン・ディオールがメゾン創設後まもなく、ファッションショーのゲストを迎えるために選んだものだといわれています。

その反対側には、ロダンの『ふたつの左手(別名 ハンズNo.2)』が、影を作るように展示されていました。

足を進めると、2003年にディオール表参道店を手掛けた、建築家の妹島和世さんが創作した「レディディオール」が…!


2024年の「LADY DIOR AS SEEN BY」プロジェクトのもの

白一色のレディディオールは、「構造の可視化」と「スケールの遊戯」という妹島さん独自のアプローチを反映させているそう。

じっと見ていると、ディオールの象徴「カナージュ柄」が、図面や建築的な構造に見えてきました…。

さらに進むと、壁一面に小さなドレスがずらりと並んでいます。

「バー」スーツから現代のデザインまで、過去のアーカイブから厳選したものがなんと約400点も。


美しくも大迫力

ディオールのオートクチュール工房では、実際のデザイン工程で数百点のトワルを作成する慣習があり、これを展示コンセプトに反映しているそうです。

実寸サイズのドレスなども。

服を構成するパーツや、女性が着ることを考慮したシルエット、生地の重さ・軽さが伝わるボリューム感など、トワルを表現した白で統一されているので、ダイレクトに伝わるものがありました。

仮縫いサンプルを作ることを指す「トワル」は、作品としてはまだ“未完成”な状態のことですが、その未完成だからこその魅力的な姿は、私たち人間にも通ずることではないのかな…と思いました。

着飾ったり、気取ったり、見栄を張ったりする自分ではなくて、完璧ではないありのままの姿こそが魅力を放つ…そう感じ取れるものがありました。

また、この部屋には、写真家の高木由利子さんが撮影したディオールの作品を着た写真や映像も点在。

高木さんが得意とする、4秒静止して4秒動くという『振れ』を生かした撮影方法で撮られたのでしょう。

「静と動」の間が写し出され、ブレているようなのに、シルエットはむしろ美しく際立っているように思えます。

歴史的遺産の融合

次は、何やら幻想的な空間へ。

文化遺産保護における国際連携を「人類愛」として昇華したというこのセクションは、フランスと日本の遺産を融合した展示物がありました。

こちらは、ノートルダム大聖堂と首里城です。

どちらも2019年に火災に遭った建物で、復元にあたり、修復技術の情報共有など連携していたそうです。

悲惨な出来事ですが、偶然にも同じ年に起こったため、強い絆ができたのですね。

こちらは、フランスのモンサンミッシェルと、広島にある厳島神社の大鳥居。

この2つは1000年以上の歴史があり、どちらも海に浮かぶ世界遺産であることから、2009年に観光友好都市提携を締結していたそう。

姉妹提携していたのを、初めてここで知りました。

フランスと日本のシンクロを作品に昇華することで、国と文化の繋がりが伝わってきました。

セリーヌ

いよいよ最後。セリーヌのセクションにやってきました。

この部屋では、セリーヌを象徴する「トリオンフ」と、石川県輪島市発祥の漆芸職人集団「彦十蒔絵」とのコラボレーション作品を展示。

金箔と漆で「松竹梅」モチーフを表現しています。

和とラグジュアリーの融合が絶妙ですね。玄関に飾ると縁起がよさそうです。

ほかにも、大阪・関西万博限定の「クラシック トリオンフ バッグ」が展示されていました。

美術館や博物館にある解説パネルなどは避け、シンプルな構成にしたというこの部屋は、セリーヌの高級かつ威厳な雰囲気がダイレクトに伝わってきました。

セリーヌの展示は5月11日までの期間限定で、12日以降の明確な後継展示は未発表とのこと。

9月1日~10月13日はショーメが展示予定です。

ちなみに、出口付近には、グッズショップもありました。

長蛇の列だったため入ってはいませんが…どうやら万博限定デザインのセントジェームスが人気なようです。

番外編

今回、フランスパビリオンの取材メインで万博に行ってきましたが、せっかくなので色々な場所を見てきました。

事前予約していないと入りにくいパビリオンは、残念ながら予約が取れず入れませんでしたが、予約不要のところでも充分楽しめました。

まず、東ゲート近くにある東ゲートマーケットプレイスの「大丸松坂屋百貨店」。

ここでは、お土産やコラボグッズがたくさん並んでおり、かなり混雑していました。

ジャーナルスタンダードとのコラボレーションアイテムたち。

キャップも。意外と色んな服に合いそうです。

こちらは、「N.ハリウッド」と「アーティストFACE」とのトリプルコラボTシャツ。

白と黒の2色展開ですが、どちらも異なるプリントなので2色買いする人も多そうですね。

ビューティフルピープルとミントデザインズは、モノトーンで大人っぽいデザインです。


この日は比較的売れていたのですかね

ジェラートピケもコラボレーションしています。

国内ファッション企業唯一の参加ブランドである、アーバンリサーチも覗いてきました。

日本らしさと、アーバンリサーチらしさが組み合わさった、海外の方にも評判が良さそうなトレンド感のあるデザインが多くありました。

また、ファッションとは関係ないのですが、筆者が個人的に面白く感じたのは「コモンズD館」です。

“コモンズ”という館はA・B・D・Fの4つあり、パビリオンは建っていないが、多くの国が出展する共同展示です。


待たずに入れました

コモンズDには、アフリカやアジアが中心となった25カ国の展示がありました。

雰囲気は、海外のお土産市場や、百貨店の上層階にある催事場のような感じです。

タジキスタンの民族衣装。

カリブ海地域に位置するアンティグア・バーブーダのカーニバルなどで着る衣装。THEカーニバルといった感じで、今にも踊り出しそうなとても派手なデザインです。

モンゴルの伝統衣装。

マーシャル諸島の編み物を紹介しています。


西アフリカに使われている伝統楽器。ひょうたんに被せられたビーズ(?)の網が可愛いです。

トーゴのひょうたんマラカス。この網に付いたビーズをマラカスに当てて音を鳴らすそうです。

あと、国問わず、やたらに石が展示されていました。

様々な国の伝統衣装や文化、そして石が好きな方はとても楽しい場所だと思います。

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ここまで読んでくださった方へ

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

今回は、フランスパビリオンの内容についてお届けしました。

フランスの卓越性と職人技に焦点を当てながら、ファッションや芸術、自然、そして人間との関わりを融合させた演出は、非常に見応えあるものでした。

貴重な彫刻や、大阪・関西万博のために制作された展示物などもあり、フランスの“本気”を感じられるパビリオンだと思います。

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