ファッションアイテム「数字」の謎


引用chanel

こんにちは。ブランド古着のKLDです。

ファッションアイテムの名前には「数字」が使われているものが数多くあります。

その数字の多くには、ブランドの歴史や開発者の想いが込められており、理由や歴史を知ることでファッションをより深く楽しむことができます。

今回は、有名なアイテムに使われている数字の秘められた意味や歴史を紹介していきます。

意外と知られていない由来ばかりですので、ぜひ最後までご覧ください!

Levi’s

Levi’s(リーバイス)は、1853年にリーヴァイ・ストラウスさんがサンフランシスコに雑貨店・生地商「リーバイ・ストラウス社」を設立したことから始まりました。

505や517など様々なモデルを生み出してきたLevi’sの歴史は、そのままジーンズの歴史と言えます。

Levi’s501


引用mac-house

1890年、リーバイス社は商品管理のために品番システムを導入し、この時に「501」という番号が付けられました。

この番号の由来については、1850年代の第1号製品という意味から付けられたという説や、単なる商品管理用の番号であり特別な意味はないという説など、諸説あります。

Levi’s501は最初期のモデルとして130年以上の歴史を持ち、スティーブ・ジョブズやジェームズ・ディーンが着用したことでも知られ、現在も世界中で愛され続けているジーンズです。

New Balance

New Balance(ニューバランス)は、1906年にウィリアム・J・ライリーさんによってボストンで設立されました。

当初は「ニューバランス・アーチサポート・カンパニー」という名前で、アーチサポートインソールや矯正靴を製造していました。

医学的な観点を重視したモノづくりの精神は現在まで継承されており、近年ではスポーツミックスの流行により多くのファッショニスタにも支持されています。

New Balance990


引用newbalance

New Balance990の「990」には、「1000点満点で990点」という意味が込められています。
この数字には、製品としての自信と謙虚さが同時に表現されています。

1978年から4年の歳月をかけて開発された990は、当時持ち得る最高の技術を結集したシューズでした。
クッション性・安定性・フィット感など、ランニングシューズに求められる全ての要素を高次元で実現。

その自信の表れとして「990点」という評価が付けられました。

残りの10点には「完璧」を目指しながらも「まだ改善の余地がある」というNew Balanceの謙虚さとハングリーな姿勢が表現されています。

1982年の発売時、New Balance990は100ドル(当時の為替レートで約28,000円)というかなりの高額で販売されました。

しかし、その圧倒的な完成度と990という数字に込めた想いは、価格を超える価値として多くのユーザーに認められました。

このようにNew Balance990は、New Balanceの技術力の結晶であると同時に、常に進化を追求する企業姿勢を体現したモデルとして現在も多くのファンに支持され続けています。

NIKE

NIKEは、1964年にフィル・ナイトさんとビル・バウワーマンさんによって、ブルーリボンスポーツ(BRS)社として立ち上げられたスポーツ関連の靴・アパレル製品を展開するメーカーです。

当初は日本のオニツカタイガー(現在のアシックス)のシューズを輸入販売していました。

その後、1971年にオニツカタイガーとの契約終了を機に自社ブランド「NIKE」を立ち上げ、象徴的なスウォッシュロゴも誕生しました。

Nike Air Force 1


引用nike

Nike Air Force 1の「1」はアメリカ合衆国大統領専用機のコールサイン「Air Force One」から名付けられました。
シューズの優れた安定性と、大統領を護衛する強さをリンクさせています。

1982年10月に誕生したAir Force 1は、Nike Airクッショニングを搭載した初のバスケットボールシューズでした。

当時のバスケットボールシューズはクッション性が乏しく、選手たちは衝撃を和らげるためにソックスを何枚も重ねて履いていました。

この問題を解決するため、デザイナーのブルース・キルゴアさんはハイキングブーツの構造をヒントに開発を開始。

発売当初は100ドル(当時の為替レートで約25,000円)という高額でしたが、その優れた機能性により多くのNBA選手から支持を得ました。

Air Force 1は40年以上にわたって形を大きく変えることなく愛され続け、スニーカーカルチャーの象徴的存在となっています。

シンプルなデザインと優れた機能性により、バスケットボールプレイヤーだけでなく、ファッション好きからも支持を得ている不朽の名作です。

Dr.Martens

Dr.Martens(ドクターマーチン)は、1945年にドイツ軍医だったクラウス・マルテンス博士が、スキー中の足首の怪我をきっかけに、快適で耐久性のある靴を開発しましたしたことから始まりました。

マルテンス博士は、戦後の廃材を利用して「エア・クッション・ソール」を発明し、これがブランドの特徴となりました。

その後、1947年、エア・クッション・ソールを搭載した靴の販売を開始し現在に至ります。

Dr.Martens 1460 8ホールブーツ


引用drmartens

Dr.Martens 1460 8ホールブーツは、1960年4月1日に誕生したことから「1460」という数字が付けられました。

労働者のための実用的な靴として、当初は2ポンド(当時の為替レートで約2,000円)で販売され、郵便配達員や工場労働者などイギリスの労働者階級に広く普及しました。

しかし、1960年代後半に社会的背景からユニークなデザインが若者やミュージシャンの目にも留まります。

1967年にザ・フーのピート・タウンゼントがギグで着用したことをきっかけに、サブカルチャーや音楽シーンでも注目を集めるようになりました。

このように、労働者の実用靴から若者のカルチャーアイコンへと進化したその歴史は、ブランドの魅力の一部となっています。

現在でもファッション好きからバイカー、不良少年まで、多種多様な人々に愛用され続けています。

CHANEL

CHANEL(シャネル)は1910年にココ・シャネルさん(本名ガブリエル・ボヌール・シャネル)によって立ち上げられたフランスのラグジュアリーブランドです。

CHANELの始まりは、パリのカンボン通り21番地に開かれた帽子専門店「シャネル・モード」でした。

ココ・シャネルさんが手掛けたシンプルでエレガントな帽子は、当時の派手な装飾が主流だった帽子とは一線を画し、瞬く間に人気を博しました。

そして、現在では世界中の誰もが知るラグジュアリーブランドとして愛されています。

CHANEL 2.55


引用chanel

CHANEL 2.55は、1955年2月に発表されたことから「2.55」という名前が付けられました。

このバッグが生まれたきっかけは1920年代に遡ります。

ココ・シャネルさんは当時主流だったハンドバッグの不便さを感じていました。

両手が塞がってしまうことに不満を持ち、女性が自由に両手を使えるバッグをデザインすることを決意。

その結果誕生したのが、肩掛け可能なチェーンストラップと7つのポケットを備えた実用的なバッグでした。

CHANELを代表するアイテムとなった2.55は、2005年に誕生50周年を記念して復刻版が発売され、現在も根強い支持を得ています。

また、ブランドを引き継いだカール・ラガーフェルドが2.55を元にアップデートさせた『11.12(別名 クラシックフラップバッグ)』というモデルも存在し、こちらも人気のモデルとなっています。(こちらの数字に関しては、単なるブランド内部の製品コードと言われています。)


11.12 引用chanel

CHANEL N°5


引用Instagram@chanelofficial

CHANELの中でもう一つ印象的な数字として「No.5」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

世界的に有名なこの香水は、マリリン・モンローが「マリリン、寝るときは何を着てるの?」と尋ねられた際に「CHANEL N°5だけよ」と答えたというあまりにも有名な逸話を持っています。

そんな「No.5」ですが、この名前の由来には複数の意味合いが含まれています。

まず、CHANELのデザイナーであったココ・シャネルが、調香師エルネスト・ボーに香水の制作を依頼した際、いくつかの候補の中から選んだ香りが「5番目」のものであったというのが「N°5」の由来となっています。

また、カトリックの孤児院で育った経験のあるココ・シャネルは聖書やカトリックの教えに影響を受け、「5」という数字に特別な意味を見出していたと言われています。

カトリックの教えでは「5」という数字は様々な聖書のエピソードなどに登場する数字で、シャネルも「5」という数字を自身のラッキーナンバーと捉えていたそうです。

このようにして現在も世界的に人気の香水、「N°5」は誕生しました。

DIOR

DIOR(ディオール)は、1946年にクリスチャン・ディオールさんによって立ち上げられたフランスのラグジュアリーブランドです。

立ち上げの翌年である1947年2月にはブランド初のコレクションを発表し、ファッション界に革命をもたらしました。

このコレクションは「ニュールック」と呼ばれ、なだらかな肩のラインや細く絞られたウエスト、広がるロングスカートが特徴でした。
戦後の抑圧された贅沢への渇望も相まって、DIORのデビューは大きな注目を集めたのです。

現在は世界最大級のラグジュアリー企業グループ「LVMH」の傘下として、バッグや革製品、宝飾品などを展開しています。

30 Montaigne


11.12 引用dior

30 Montaigne(トロント モンテーニュ)は、DIORが立ち上げられたパリ8区の「アヴェニュー・モンテーニュ30番地」に由来しています。

クリスチャン・ディオールさんがこの場所に一目惚れし、自身のメゾンを設立。
「ここでなければならなかった」と述べるほど、強い思い入れを持っていました。

そして、2019年5月10日に当時のアーティスティック・ディレクターであるマリア・グラツィア・キウリさんによってデザインされた30 Montaigneが発売されました。

このバッグは、DIORの過去と現在を繋ぐ重要なアイテムとして、ブランドの新たなアイコンバッグとなっています。

Lady 95.22


11.12 引用wwdjapan

Lady 95.22の「95」は、オリジナルのLady Diorが誕生した1995年を、「22」は、この新しいバージョンが2022年のDIOR 2022-23年AWコレクションで発表されたことを示しています。

このバッグは、Lady Diorの象徴的なラインを受け継ぎながら、より現代的なシルエットと新しい技術を取り入れています。

例えば、高周波技術を用いた「マクロカナージュ」モチーフやバッグ底部の「マキシカナージュ」パターンなど、伝統的な要素を新しい方法で表現しています。

実は、1995年に発売されたLady Diorは元々「カナージュ・キュイール」(フランス語で「格子の革」の意味)という名前でした。(「Chouchou」と呼ばれていたという説もあり)

しかし、1995年にダイアナ元妃がこのバッグを愛用したことをきっかけに、1996年に正式に「Lady Dior」と改名。

Lady Diorという名称は、ダイアナ元妃の結婚前の愛称「Lady Di(レディ・ディ)」に由来しており、この改名は元妃本人の承認を得て行われました。

Saint Laurent

Saint Laurent(サンローラン)は、1961年にイヴ・サンローランさんによってフランスのパリで立ち上げられたラグジュアリーブランドです。

立ち上げ時はYves Saint Laurent(イヴ・サンローラン)という名前でしたが、2012年にクリエイティブディレクターとして就任したエディ・スリマンさんが、プレタポルテラインを『Saint Laurent』に変更しました。

アクセサリーや化粧品ラインでは従来のYSLロゴが継続して使用されています。

現在は、GUCCI(グッチ)やBottega Veneta(ボッテガ・ヴェネタ)を有するケリンググループの傘下として衣類やシューズ、バッグなど幅広く展開しています。

LE 5 À 7


11.12 引用ysl

LE 5 À 7(ル・サンカセット)はフランス語で「午後5時から7時」を意味し、パリジェンヌたちが仕事帰りに自由な時間を楽しむ時間帯を表しています。

このバッグは、そんなパリの都会的なライフスタイルからインスピレーションを得て誕生しました。
昼と夜の両方のシーンで使えるようデザインされ、働く女性の日常に寄り添うアイテムとして支持を集めています。

スマートなシルエットと実用性を兼ね備えたLE 5 À 7は、現代のファッショナブルな女性のライフスタイルを象徴するアイコンバッグとして確立しています。

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