Personal Picks|郷土玩具

こんにちは。ブランド古着のKLDです。

様々な人に“個人的な愛用品”を聞くコーナー、Personal Picks。

第3回目となる今回は、KLDの現場でオペレーション業務に携わっている吉村さんにお話を聞きました。

郷土玩具

ー今回ご紹介いただくものは何でしょうか?

吉村:郷土玩具です。

ーずらりと並んでいますね!窓の上に置いているんですか?

吉村:はい。窓の上にちょっとしたスペースがあるので、そこに飾っています。

ーさっそく郷土玩具についてお伺いしたいのですが、その前に、吉村さんがKLDでどのような業務に携わっているのかお聞きしてもよろしいですか?

吉村:現場ではオペレーター業務に携わっています。主に商品化に関する業務やメンテナンス業務を行っています。

ーメンテナンスはどういった業務内容なんですか?

吉村:大まかに話すと、洗濯ができるものは洗濯をしたり、それができないものは手洗いしたり、 部分洗いをしたり。シワがひどいものはスチームアイロンをかけたりしてメンテナンスを行っています。

吉村:あと、簡単なリペアもやっています。ボタン付けをしたり、ほつれているところを縫ったりして、より良い状態でお客様の手元に届くように日々努力しています 。

ー多少汚れや不備があるものでも、KLDでは買い取ってもらえるということですね。

吉村:はい。もちろん物や状態にもよりますが、例えば「ボタンが取れてしまった」とか、「激しく動いて破れてしまった」とか、そういったものもKLDでは対応可能です。

ー破れてしまった箇所のリペアもできるんですね!

吉村:縫い目の箇所が破れている場合はできます。縫い目ではないところが破れて、そこが目立っている場合は、一応、目立たなくなるように対処します。少しメンテナンス代はいただきますが、目立たなくして次の方に繋げることはできるので、破れていても大丈夫です。

吉村:ただ、あまりにも状態が良くないものは、買取自体が難しくなることもあります。

ーメンテナンス代をいただくというのは、買取金額から差し引くということですか?

吉村:はい。お見積り金額から、メンテナンス代を少し差し引いた金額を提示するっていう感じです。

吉村:通常、良いものは価値が下がりにくいので、メンテナンスを行えば、まだまだ愛用できる状態になります。リペアとかできないし、ボタンがない状態じゃ着ないっていうものがあれば、お家に眠らせずにぜひ送っていただきたいです。

ーボタンが無い場合は、合うボタンを使って付けるんですか?

吉村:そうですね。そういった時は、完全に一致しないこともあるんですが、雰囲気が合うボタンを選んで付けています。

ーかなり細かい部分まで対応されているんですね。お仕事のお話、ありがとうございました。

ーそれでは、次は郷土玩具についてお聞きしたいと思います。郷土玩具を集め始めたのはいつ頃ですか?

吉村:15年くらい前ですかね。主人と共有の趣味というか。主人とドライブに行った先とかで見つけて「うわ、これなんか可愛い!」「キモ可愛い!」みたいな感じで二人で盛り上がって、ちょっとずつ買っていたら増えていたっていう…(笑)

ー最初に集めるようになったきっかけはなんですか?

吉村:なんですかね…。『うなぎの寝床』っていうお店があるんですけど、私も主人もそのお店が好きで、よくドライブがてら寄って、そこでどんどん増えていく感じだったんですよね。きっかけっていうより、ドライブで行った先で見つけたから買おう!みたいな感じで気付いたら増えていきました。

ー『うなぎの寝床』ですか?初めて聞きました。

吉村:『うなぎの寝床』は福岡の八女市にある(現在は八女以外にも店舗がある)お店なんですけど、地元で作ってるものをプッシュしてるところで、そこに結構、郷土玩具が置いてあるんですよ。

ーそうなんですね。八女で作られている郷土玩具が置いてあるんですか?

吉村:八女だけではないですね。

吉村:例えば、右側の奥のお相撲さんみたいなのは『尾崎人形』という佐賀県のもので、その隣は太宰府の『鷽(うそ)』っていう有名なものです。福岡や佐賀にもけっこう郷土玩具があるので、その辺も、うなぎの寝床には置いていますね。

ー地域や文化に根付いたお店なんですね。他にはどんなものをお持ちですか?

吉村:手前の鹿の上に猿が乗っているものは、宮島の厳島神社の参道にあるお土産物屋さんで買いました。左のウサギは、香川県の金比羅山の参道にあるお土産屋さんに売っていたもので、福島県の『三春張子』っていう首振りのウサギなんですよ。

ー右のクジラもすごく可愛いです。

吉村:このクジラは高知県の『鯨車』ですね。これは香川にある『まちのシューレ』っていう雑貨屋さんで見つけました。

ーどれも個性のある郷土玩具ですね。選ぶときのポイントはありますか?

吉村:一個一個手描きだったり、同じものでも形が少しずつ違っていたりするので、それぞれの可愛さというか、見つけたときの「お前だ!」みたいな感じで選んでいます。あと、「気持ち悪いけど可愛いやん」的な感じでキモ可愛い子を選ぶことも多いです。

ー気持ち悪いから入ることもあるんですね!たくさん同じ種類が並んでいる中から、微妙な違いを見て選ぶ感じですね。

吉村:そうですね。お店の人に「これとこれ、どっちがいいですか?」って聞いたりするときもあります。

ー一推しの郷土玩具はありますか?

吉村:私の一推しはこのニワトリですね。

吉村:これは山形の『笹野一刀彫』っていう民芸品です。斧みたいな大きな刀で一本の木を削っていくんですけど、この後ろなんか凄いんですよ。

ー後ろはどうなっているんですか?

吉村:ちょっと想像しにくいんですが、 刀でビュンって削って“くるくるくる”ってしているんです。

ーカンナで削ったみたいな感じですね。すごいです…。

吉村:ほんと職人技ですよね。この一刀彫の工房に行くのがちょっとした夢です。

ーこのニワトリはおいくらぐらいで買えるんですか…?

吉村:これは4,000円くらいでした。

ーそうなんですね!すごく手が込んでいるのでもう少しお高いかと思っていました。

吉村:そうですよね。色々コストとか考えてしまいますよね(笑)。職人さんは短時間で仕上げるらしいので、4,000円っていう値段でできるみたいです。

ー短時間とはいえ手作業ですもんね。

吉村:はい。やっぱり職人さんってすごいなって思うし、知れば知るほど尊く感じてきます。でも、後継者問題とかで郷土玩具が残る未来ってちょっと難しいんだろうなっていうのもあるので、どんどん買っていこうと思います。

ー応援的な意味もありますね。

吉村:最近は、郷土玩具を今風に作っている若手の人もいるので、その人が作ったものも欲しいなと思っています。


吉村さんが注目している琉球張子作家の豊永盛人さん 引用colocal.jp


豊永盛人さんの作品 引用colocal.jp

ーめちゃくちゃ可愛いです!これは欲しくなりますね。

吉村:あと、『中川政七商店』も郷土玩具の取り扱いがあるんですけど、一部の店舗では郷土玩具のガチャガチャもあるんですよ。


中川政七商店の郷土玩具のガチャガチャ

ーこれはプラスチックですか?

吉村:そうです。素材はプラスチックなんですけど、見た目は忠実に再現されています。最近ガチャガチャにもハマっているので、メルカリとかで探して過去のガチャも買いますね。二次流通ありがとうございますって思いながら(笑)。

ーなかなかの数の郷土玩具をお持ちでいらっしゃいますが、家の中だと窓の上以外にどこに置いているんですか?

吉村:けっこう玄関に飾っているものも多いかもしれません。

吉村:郷土玩具って基本的に農家さんの副業のような感じで、農業が少し暇になってきた冬とかお米の収穫時期じゃない時の収入源として作ったのが始まりみたいなんです。縁起物とか魔除けの意味合いを込めたものが多いので、「魔除け的な感じだと玄関か」ということで玄関に。

ーたしかに。そういったものはだいたい玄関のイメージですね。


一番大きい真ん中の凧はセミをモチーフにしたもの

吉村:この凧とかも玄関に飾っています。

ー凧も郷土玩具なんですか?

吉村:そうですね。ジャンルとしては郷土玩具です。この大きいのが一番メジャーで、左のが河童とウサギの凧です。あと、凧の右にあるのがしめ縄なんですけど、私、しめ縄も好きなんですよ。

ーしめ縄も集めているんですか?


唐辛子の付いたしめ縄

吉村:はい。前から持っていたんですけど、宮崎県の高千穂の道の駅(青雲橋)に行った時に買い足したりして、ちょくちょく増やしています。

吉村:多分しめ縄も農家さんたちの副業的な感じで、稲刈りが終わった後のその稲で作っているんだと思います。なので、郷土玩具とはまた少し違うんですけど、お正月飾り的な感じでうちは一年中玄関に飾ってます。


他にも亀や鶴のしめ縄も

ー亀と鶴も素敵です!

吉村:これも高千穂の道の駅で購入したしめ縄で、『わら細工たくぼ』という工房のものです。

ーしめ縄もとても魅力的です。こういった日本の地域や文化に根付いたものを、どんどん広げて次世代にも残していきたいですね。

ー今回はKLDでのお仕事のお話しから郷土玩具の興味深いお話まで、色々とお聞かせいただき、ありがとうございました!

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