MARNIってどんなブランド？｜マルニ

コンスエロ・カスティリオーニ

引用 vogue.co.jp

1959年、スイスのルガーノで生まれた彼女は幼少期、多くの友人が家に来て庭で遊んだり母親の服を着て遊んでいました。

ファッションは独学で学び、母親からは「何かを信じるなら、他人の意見に左右されすぎずに、それを得るために戦わなければならない」と教わったと語っています。

そして、25歳の時に毛皮会社メーカーCiwiFursのCEOであるジャンニ・カスティリオーニ氏と結婚し、夫の会社のファッションコンサルタントとして働き始めます。

その後、1994年にMARNIを設立。2010年には「ビジネス業界で最もクリエイティブな100人」に選ばれました。

しかし、2016年にMARNIのクリエイティブディレクターを退任し、現在の情報は分かっていません。

そんなクリエイティブに富んだ彼女ですが、カロリーナ・カスティリオーニさんという娘がおり、Plan C（プラン シー）の設立者でもあります。

カロリーナさん 引用 wwdjapan

Plan CもMARNI同様、ユニークなアイテムが多く、母親から受け継いだ美意識が活かされていると分かります。

Plan Cのアイコンバッグ 引用 Plan C

フランチェスコ・リッソ

引用 tjapan

1982年、イタリアのサルデーニャ島で生まれた彼は幼少期、4歳まで家族と共に帆船で地中海を巡る生活を送っていました。

この生活が、のちのファッションデザインにおける重要な経験となっています。

そして、16歳でフィレンツェのポリモーダに入学し、ファッションの基礎を学びます。

卒業後は、ニューヨークのファッション工科大学（FIT）で、衣服の構造とデザインに焦点を当てて技術を習得。

さらに、アレキサンダーマックイーンを筆頭に、ジョンガリアーノなども輩出したセントマーチンズでマスターを取得します。

その後、イタリアの老舗ブランドANNA MOLINARI(アンナ・モリナーリ)や、上質なニットで著名なMalo（マーロ）、PRADA（プラダ）のウィメンズコレクションを担当するなど、輝かしいキャリアを積み重ねた末に、2016年にMARNIのクリエイティブディレクターに就任。

2017-18AWシーズンにデビューコレクションを発表しています。

2017-18AWコレクション 引用 fashion-press

このように、幼少期の珍しい経験と正式なファッションの教育を受けてきたからこそ、クリエイティビティを重要視するMARNIでも、伝統を守りつつ新たな目線でブランドを作ることができているのです。

伝統を覆すシルエット

1930年代の女性のファッション。ウエストをマークし、上品にボディラインを強調する服装が主流に。 引用 renote.jp

伝統的な西洋ファッションは貴族の社交文化から発展し、元々は性別を強調するスタイルが主流でした。
Dior（ディオール）やGUCCI（グッチ）などの老舗ラグジュアリーブランドは今もこの伝統を継承し、タキシードやウェディングドレスを毎年コレクションで発表しています。

1930年代には女性のファッションでウエストを強調し、ボディラインを上品に見せるスタイルが主流となりました。

MARNIが設立された年と近い、95年のシャネル 引用 ayerhsmagazine

しかし、世界大戦やインターネットの普及により、ファッションはグローバル化し多様化しました。

この流れの中で、MARNIのデザイナーであるコンスエロ氏は、過剰にセクシーなトレンドに反して、ゆったりとしたシルエットの作品を発表。

「マルニルック」と呼ばれるこのスタイルは、控えめな女性らしさを求める顧客層に支持され、ボヘミアンでロマンティックな可愛さや個性的な色使い、刺繍などを特徴とする独自のスタイルを確立しました。

2010年のMARNI。ストンとしたシルエットと目を引く幾何学模様がMARNIらしい一着。 引用 elle

独特なカラーリングとプリント

引用 fashion-press

MARNIのアイテムは、大胆かつ洗練されたカラーリングとプリントで知られています。

マスタードやカーキ、ボルドーや蛍光色などのパンチのある色を巧みに組み合わせ、一見ミスマッチに感じる色使いも見事に融合。

また、プリントに関しては、花柄やドットなどの多彩なデザインを豊富に取り扱っています。

これらのプリントは単に派手なだけではなく、計算された「大人可愛い」スタイルを実現しています。

2022SSのコレクションでは、カラフルなストライプ模様や有機的なフラワーモチーフに、鮮やかさの中にも洗練された雰囲気を作り上げました。

構築的なシルエットと素材の組み合わせ

引用 MARNI

MARNIのアイテムは、構築的なシルエットと素材の組み合わせが特徴的です。

デザイナーの意思が大胆に表現されており、例えば身幅や着丈、襟やカフスまですべてビッグサイズ仕様にした白シャツ、異素材がミックスされたカゴバッグ…など、毎シーズン独創的なアイテムを生み出しています。

また、素材の組み合わせでも、ファーや革製品のセンスは他のブランドにはない良さを持ち、シルクなどの天然素材を中心に使用しています。

さらに、ジャージー生地にシルクを組み合わせたり、革製品に缶バッジやスタッズなどの金属製品を取り入れたりするなど、異素材の組み合わせも得意としています。

これらの特徴により、MARNIは形式に囚われない自由な発想を実現し、独自のセンスと魅力を放つブランドとして確立されているのです。

マルニロゴ付き オーガニックコットン製Tシャツ

引用 MARNI

MARNIのロゴが大胆にあしらわれたTシャツです。
高品質のオーガニックコットンを使用し、着心地の良さと耐久性を兼ね備えています。

メンズ・レディースともに展開されており、オーバーサイズのシルエットで1枚で様になるのが嬉しいポイント。

カジュアルなスタイリングはもちろん、スカートやテーラードジャケットと合わせたスタイルにも活用でき、汎用性の高いアイテムとなっています。

コクーンシルエットのワンピース

引用 MARNI

先述のとおり、ボディラインの出ないシルエットのドレスで90年代当時、世間に強烈なインパクトを残したMARNIですが、そのマインドは現在も受け継がれており、体のシルエットを拾わないコクーンシルエットのワンピースなどは定番的に人気の商品となっています。

シーズンごとに素材などを変えて様々に展開していますが、やはりブランドのアイデンティティを感じられるアイテムとして長く愛されています。

MARKET HAMMOCK BAG

引用 MARNI

MARNIといえば、カラフルなバッグも外せません。
こちらのハンモックバッグは、軽量かつiPadやマイボトルなどが入る大容量で、実用性の高さからも人気があります。

コロンビアの職人による手織りの生地を使用しており、伝統的な技術と現代的なデザインが融合。
毎シーズン限定カラーが登場し、ソリッドカラーからマルチカラーまで幅広く展開されています。