増永眼鏡ってどんなブランド?|マスナガメガネ


引用instagram@masunaga1905official

こんにちは。ブランド古着のKLDです。

福井県で生まれ、100年以上の歴史を誇る増永眼鏡。
眼鏡産業の歴史を築き、今や国内シェア90%を誇るめがね産地・福井県の礎となった眼鏡ブランドです。

今回は、

  • 増永眼鏡とは
  • デザイナー
  • ブランドの特徴
  • 代表的なモデル
  • 買取について

という形でお話していきます。

増永眼鏡が気になっている!という方はもちろん、増永眼鏡の買取についてお話もしていきますので、既にアイテムをお持ちで売却をお考えの方にも、ぜひご覧いただきたい記事となっています。

増永眼鏡とは


引用instagram@masunaga1905official

増永眼鏡(マスナガメガネ)は、100年以上の歴史を持つ日本を代表する眼鏡ブランドです。

1905年(明治38年)に福井県麻生津村(現在の福井市)で、増永五左衛門(ますながござえもん)さんが創業しました。

創業以来、「当社は、良いめがねをつくるものとする。できれば利益を得たいが、やむを得なければ損をしてもよい。しかし常に良いめがねをつくることを念願する」という社是のもと、品質を第一に考えた眼鏡作りを続けています。

この社是を体現しているのが、一貫生産体制です。

福井の眼鏡産業では分業制が主流である中、増永眼鏡は、企画から製造までの200〜300にも及ぶ全ての工程を自社で管理。
また、その後の販売までも徹底した管理体制を整えています。

その真摯なものづくりに対する姿勢は、長年にわたり国内外で数々の評価を受けてきました。

以下は、これまでの主な功績です。

  • 1911年:内国共産品博覧会で「有効一等賞金杯」を受賞
  • 1933年:昭和天皇の福井県行幸の際に製品を献上
  • 1970年:大阪万博のタイムカプセルに製品「CUSTOM-72」が収納される
  • 2000年:眼鏡界のアカデミー賞とも称される「Silmo Award(シルモアワード)」で日本企業として初の金賞を受賞


昭和天皇への献上品は白装束に身を包んで製造したそう。右はその複製品。引用masunaga1905.com

現在は東京、大阪、名古屋、奈良での直営店のほか、アメリカ、香港、マレーシアなど世界約40か国に販路を広げています。

このように増永眼鏡は、日本の眼鏡産業の先駆けとして、世界に誇れる技術を持つ眼鏡ブランドとして君臨しています。

デザイナー

増永眼鏡のデザイナーは、全員が0.01mm単位で眼鏡を精密に仕上げられる、高い職人技術を持つ複数人で構成されています。

ここでは、直接デザインに関わっていないものの、増永眼鏡の基盤を築き、現在に至るまで増永眼鏡の品質とものづくりの精神を作り上げた創業者・増永五左衛門さんについて紹介します。


創業者 増永五左衛門さん 引用masunaga1905.com

1871年9月7日、麻生津村(現在の福井市)の裕福な農家の長男として生まれた増永さん。

教育熱心な家庭で育ち、幼少期には地域社会への貢献意識が芽生えていました。

16歳で家督を相続し、25歳で結婚。
その後、28歳という若さで村会議員となり、地域の発展に尽力します。

当時の麻生津村は、多くの村民が貧しい生活を送る農村集落で、特に冬季の積雪により農業ができない期間の暮らしはさらに厳しいものでした。

この状況を打開するため、増永さんは新たな産業を模索します。

そんな時、大阪と東京で盛んだった眼鏡枠(フレーム)づくりに目をつけた弟・幸八さんから、村での眼鏡製造を提案されました。

当時、眼鏡はまだまだ一般的ではないうえ、麻生津村ではほとんど普及していないものでしたが、増永さんは明治時代の教育普及に伴い、読書をする人々が増加する中で「眼鏡」の需要が高まると感づいていました。

そして1905年、弟の熱心な説得にも後押しされ、増永さんは38歳の時、眼鏡産業に足を踏み入れるという大きな決断を下します。

さっそく自身の田畑を担保に資金を調達し、足羽群麻生津村生野(現在の福井県生野町)に工場を設立。

大阪と東京から3人の職人を招き、農家の次男や三男たちに眼鏡枠づくりを学ばせます。


当時の帳場制の様子 引用masunaga1905.com

また、親方(責任者)とする職人グループを作り、その下に弟子たちを置く「帳場制」というシステムを導入し、職人の技術向上と、部品製造から完成までの全工程を自社で行う一貫生産体制を実現。

さらに、工場内に夜間学校を設け、技術者の育成と教育にも注力。

技術者が独立の際には資金を援助するなどして、眼鏡産業全体の成長も後押ししました。

こうした増永さんの眼鏡製造への取り組みは、当時としては画期的なものでした。

1931年には眼鏡枠の金メッキ加工という新しい技術開発にも成功。

次第に眼鏡づくりは福井・鯖江エリア全体に広がり、昭和10年には全国一の眼鏡産地へと成長。

1938年に生涯を閉じるまで、増永さんは福井の眼鏡産業発展に心血を注ぎ続けました。


眼鏡づくりに奮闘した増永五左衛門さんの物語を描いた映画「おしょりん」引用instagram@masunaga1905official

映画に描かれるまでの歴史的な奮闘の結果、増永さんは「国産のめがねの祖」と呼ばれるまでになり、現在の福井県は日本の眼鏡生産の90%以上を担う一大産地となりました。

ブランドの特徴

増永眼鏡の特徴は以下の3つです。

  • 一貫した自社生産体制
  • 高い機能性とデザイン性
  • 数々のコラボレーション

それぞれ詳しく解説していきます。

一貫した自社生産体制


自社工場でのプレスの工程 引用masunaga-opt.co.jp

増永眼鏡の最大の特徴は、企画から完成までの200〜300にも及ぶ全工程を、自社で管理する一貫生産システムを導入しているところ。

現代の眼鏡作りはフレームの切り出しから磨き、金具の生産やメッキなど、工程ごとに細かく工場が分かれているのが一般的です。

ブランドは異なっても、「眼鏡の生産している工場は同じ」ということも珍しくありません。

しかし増永眼鏡では、金型や治具づくりからプレス、研磨、表面処理など全ての工程を自社内で行えるため、細部にまでこだわった製品づくりが実現できるのです。

この製造方式により、一本の眼鏡フレームを完成させるまでに3〜6ヶ月という時間を要しますが、それは生産量よりも“品質”を追求する増永眼鏡の姿勢の表れといえます。

また、初期から続く「帳場制」という体制により、親方を中心とした職人グループが協力して製造に取り組み、確かな技術の継承を実現しています。

この方式により100年以上もの間、伝統的な技術を社内で守り続けているのです。

そして、自社生産管理には、新モデル開発時の問題にも迅速に対応できるといった利点もあります。

例えば、製造過程で課題が見つかった際、すぐ前工程にフィードバックできるため、効率的な改善が可能になるのです。

このような柔軟な対応力も、自社一貫生産体制ならではの強みです。

分業制が主流となる福井の眼鏡産業で、自社での一貫生産にこだわる増永眼鏡は、希少な存在といえます。

高い機能性とデザイン性


引用instagram@masunaga_since_1905_official

増永眼鏡は、長年の技術研究から生まれた独自の機能性と、時代を超えて愛されるデザイン性を追求しています。

増永眼鏡の考える良い眼鏡の考え方として、「かけ心地」「デザイン性」「耐久性」の3つがバランス良く融合していることを挙げています。

増永眼鏡が国内外で高く評価される理由は、これらのどれか1つが欠けることもなく、全要素が高いレベルで組み合わさっているためではないでしょうか。

特に独自機能を詰め込んだ、こだわりのかけ心地は、増永眼鏡の長年の技術研究が生み出したものでしょう。

例えば、流線型のテンプルに弾性の高いベータチタンを採用したモデルは、頭部を優しく包み込む設計になっているため、ストレスを軽減した抜群のかけ心地へと導きます。

また増永眼鏡は、耐久性と軽量化に関しても卓越したレベルを誇っています。

チタンやベータチタンといった軽量かつ耐久性の高い素材を、フロント一体成形構造に採用することで、通常のメタルフレームと比べ、亀裂や破損に強い製品を生み出しているのです。

これらの機能性は、デザイン性を損なうことなく製品に組み込まれているため、使い心地の良さと美しさを両立させた眼鏡フレームになるのです。

数々のコラボレーション

増永眼鏡はこれまで、数多くのデザイナーやブランドとのコラボレーションを行ってきました。

今回は、その中でも増永眼鏡と深い結びつきのある、高田賢三さんと川崎和男さんとのコラボについて紹介します。

高田賢三


高田賢三さん 引用wwdjapan.com

2014年、増永眼鏡はKENZOの創業者・高田賢三さんとのコラボによる「MASUNAGA designed by Kenzo Takada」シリーズを発表しました。

このシリーズは、高田さんのセンスと増永眼鏡の職人技術が見事に調和したデザインを打ち出しています。

ビンテージフレームの要素と、現代的なデザインの融合が特徴。

チタンとアセテートの異素材を美しく組み合わせる技法は、増永眼鏡が100年以上の長きにわたり培ってきた技術から生み出されるものです。


彫金模様を施したモデル 引用wwdjapan.com

1920年代の宝飾品をモチーフにした繊細な彫金模様や、高田さんの家紋である桔梗を採り入れたデザインなど、伝統と革新が融合した存在感のあるコレクションとなっています。

高田さんが亡くなった現在は「MASUNAGA | K三」として意思を受け継いでいます。

川崎和男


川崎和男さん 引用tv-tokyo.co.jp

国内外で数々の賞を受賞するインダストリアルデザイナーであり、大阪大学名誉教授でもある川崎和男さんとのコラボレーションは、1985年に始まりました。

まず「Kazuo Kawasaki」シリーズを展開し、2021年にさらなる進化を遂げた「Kazuo Kawasaki ACT」シリーズへと発展しました。

Kazuo kawasaki ACTのコンセプトは「スマート&ハイテクノロジー」。

川崎さんが設計を担当し、それを増永眼鏡の技術力で忠実に再現したモデルを発表しています。

随所に施されたハイブリットなディテール 引用masunaga1905.com

最小限のパーツ数で、機能性と存在感を兼ね備えた唯一無二のデザインが特徴です。

頭部を優しく包み込む設計と、眼の負担を軽減する「アンチテンションフレーム」の採用は、機能性と美しさを両立させたスタイルを実現。

デザインと技術のハイブリッドは、これまでになかった新しい眼鏡の姿を示しています。


川崎和男さんが手掛けた代表的なモデルの一つ「MP-717L-PI」引用kazuokawasaki.net

特に、リムレスフレームにアセテートのフロントパーツを組み合わせたスタイルは、最小限のパーツ数で機能性と存在感を兼ね備えた代表作として知られています。

代表的なモデル

増永眼鏡にはコンセプトの異なるいくつかのコレクションが存在します。

中でも創業年を冠したレギュラーコレクション「MASUNAGA since 1905」は、増永眼鏡の主となるコレクションです。

ここでは「MASUNAGA since 1905」から代表的なモデルを紹介します。

光輝-087


光輝-087 引用masunaga1905.com

太めのラインが新鮮なボストンシェイプのモデルです。

ベーシックなデザインながら、光沢感や美しいラインなど細部までこだわる優れた職人技が際立ちます。

ユニセックスなデザインと合わせやすいカラーバリエーションにより、幅広い層から支持されています。

GMS-805


GMS-805 引用masunaga1905.com

MASUNAGA since 1905のGMSシリーズの中でも、定番の一つとしてラインナップされ続けているモデルです。

アセテートプラスチックと、チタンパーツの組み合わせによるコンビネーションフレームが特徴。

重厚感を感じさせないシルエットとシンプルなディテールが魅力で、自然なコーディネートで楽しめるデザインとなっています。

EON


EON 引用masunaga1905.com

洗練された雰囲気が魅力のモデルです。

1980年代を彷彿とさせる都会的なオーバルシェイプで、無駄な凹凸やラインを排除したミニマルなデザインが特徴。

シンプルかつクラシックな眼鏡を好む層から熱い支持を得ています。

買取、中古相場について

ここまで、増永眼鏡というブランドの魅力についてお話してきました。
ここでは、中古相場について少しだけお話していきます。

堅実なものづくりをする増永眼鏡の製品ということで、中古市場でも高い評価で取引されている事例を多く見かけます。

定番的でベーシックなモデルはもちろん、KENZOとのコラボなども人気なため、高い金額で取引されています。

増永眼鏡は、定価で購入するとなかなか高額なモデルも多いということもあり、中古市場での需要は比較的高いでしょう。

また、買取の際にケースなどの付属品があると売却金額が上がることが多いので、商品の購入後はケースなどをしっかりと取っておくことをおすすめします。

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ここまで読んでくださった方へ

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

古くから守り続けてきた職人技術と、幅広い層から支持されるクラシックなデザインが魅力の増永眼鏡。

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