
引用wwdjapan
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
ラフ・シモンズ、マルジェラ、セリーヌ、カルバン・クラインなど名だたるブランドで経験を積み、ボッテガ・ヴェネタでは従来のスタイルの刷新を成功させたマチュー・ブレイジー。
2025年にはシャネルのアーティスティック・ディレクターに就任し、また新たな革新が期待されている人物です。
今回は、
- マチュー・ブレイジーとは
- 生い立ちとキャリア
- マチュー・ブレイジーを形作るもの
という形でお話していきます。
マチュー・ブレイジーは圧倒的なセンスと類稀な才能で、若き頃から素晴らしいキャリアを築いてきました。
彼のその経歴も詳しく紹介します。
マチュー・ブレイジーとは?
マチュー・ブレイジーは、1984年生まれのフランス系ベルギー人デザイナーです。
ラフ・シモンズのメンズデザイナーとしてキャリアをスタートし、メゾン・マルジェラやセリーヌなど、数々の有名ブランドで経験を積みました。
2021年からボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクターを務め、卓越した職人技と現代的な感性を調和させたコレクションで高い評価を得ています。
2025年4月には、シャネルのアーティスティック・ディレクターに就任することが発表。
今後のファッション界を牽引する存在として、一躍脚光を浴びています。
生い立ちとキャリア
セリーヌやボッテガ・ヴェネタなどの一流ブランドで経験を積み、新たにシャネルを率いるマチュー・ブレイジー。
ここからは、彼の生い立ちとキャリアについてお話します。
両親から芸術センスを受け継いだ幼少期
幼少期のマチュー・ブレイジー引用instagram@matthieu_blazy
マチュー・ブレイジーは1984年、パリで生まれました。
父親はプリミティブアートの専門家、母親はアフリカのアートと文化を研究する歴史学者という芸術的なバックグラウンドを持っています。
マチューの両親 引用instagram@matthieu_blazy
両親の「芸術にヒエラルキーはない」という思想や、多様性を尊重する価値観は、彼のデザインスタイルに大きな影響を与えました。
マチュー・ブレイジーが幼少期にファッションに強い関心を持つきっかけとなったのは、母親のファッションへの情熱です。
母親が楽しそうに服を選ぶ姿にも影響を受け、自然とファッションに興味を抱くようになりました。
また、マチュー・ブレイジーがファッションの道に進むきっかけのひとつとして、父親から贈られたリチャード・アヴェドンの写真集の存在も大きかったとされています。
リチャード・アヴェドンの写真は、被写体の内面や感情、存在感を強烈に引き出す表現力で知られています。
アヴェドンのように本質をあぶり出す視点や、余計な装飾を排したシンプルな構成が、マチューのデザインやクリエイションの根底に反映されています。
おそらく右がマチュー(真ん中が双子の妹で左が兄)引用instagram@matthieu_blazy
実践的かつクリエイティブな学生時代
マチュー・ブレイジーはパリで生まれ育った後、ベルギー・ブリュッセルの名門「ラ・カンブル美術学校」で過ごしました。
経済学を学んだ高校を卒業後、一時は美術史を学ぶことも考えていましたが、最終的にファッションの道を選んでラ・カンブルに進学します。
当時の卒業制作風景 引用instagram@matthieu_blazy
在学中、卒業制作でフランス人女性宇宙飛行士クローディー・エニュレに敬意を表したコレクションを発表し、注目を集めました。
インターン時代のバレンシアガ 引用instagram@matthieu_blazy
また、バレンシアガやジョン・ガリアーノのもとでインターンを経験し、学生時代から一流ブランドで実践的なスキルを積んでいます。
このように、マチューの学生時代は、アカデミックな学びと現場でのインターン経験が交わる、実践的かつクリエイティブなものでした。
ラフ・シモンズでキャリアをスタート
2007年にラ・カンブル美術学校を卒業した後、マチューは毎年イタリアのトリエステで開催されるファッションコンテスト「ITS(International Talent Support)」に参加。
そこでマチューはベルギー人デザイナーのラフ・シモンズ氏に才能を見いだされ、彼のブランドでデザイナーとしてキャリアをスタートさせました。
ラフ・シモンズ時代のマチュー 引用instagram@matthieu_blazy
ラフ・シモンズに加入後、マチューはメンズ部門のデザイナーとして企画や制作に携わり、コレクションのクリエイションに貢献。
ここでマチューは、素材選びやシルエット構築、ブランド全体の世界観づくりなど、メンズファッションの基礎から応用まで幅広い実務経験を積みました。
メゾン・マルタン・マルジェラで才能を発揮
マルジェラ時代のマチュー 引用instagram@matthieu_blazy
マチュー・ブレイジーはラフ・シモンズで感性と技術を磨き、その後2012年にメゾン・マルタン・マルジェラ(現メゾン・マルジェラ)に移籍します。
マチューは、マルジェラの「アーティザナル」ラインのチーフデザイナーとして活躍。
ブランドの核である脱構築や手仕事を現代的に昇華させたデザインは、高い関心を集めました。
Maison Martin Margiela Artisanal 2014AW 引用dazeddigital
特に2014AWコレクションでは、通常は匿名性を重んじるマルジェラで異例にもマチューの名前が公表されるほど、その才能が際立ちました。
マチューのクリエイションは、大胆な実験性と独自の表現力で、ブランドの歴史と革新性を見事に融合させたと称賛されています。
ダイヤモンドをあしらった仮面 引用instagram@matthieu_blazy
「Yeezus」ツアーにてダイヤモンドマスクを被るカニエ・ウェスト 引用wikipedia
また、マルジェラ時代には、カニエ・ウェストの「Yeezus」ツアーで使われたダイヤモンドをあしらった仮面のデザインも手がけ、国際的な注目を集めました。
セリーヌでフィービー・ファイロの世界観を支える
マチュー・ブレイジーはメゾン・マルタン・マルジェラを去った後、2014年にフィービー・ファイロ率いるセリーヌのシニア・デザイナーに就任。
フィービー・ファイロ自らマチューをデザインチームにヘッドハントしたと言われています。
セリーヌ2015SS(セリーヌ在籍時のコレクション)引用wwdjapan
セリーヌ2015AW(セリーヌ在籍時のコレクション)引用wwdjapan
マチューはセリーヌ時代、フィービーが打ち出したミニマルで洗練された美学や「控えめな贅沢」を体現するコレクション制作に深く関わり、彼女の世界観を支える重要な役割を果たしました。
カルバン・クラインで再びラフ・シモンズと協働
2016年から2019年までカルバン・クラインで活動し、ラフ・シモンズと再びタッグを組んだマチュー・ブレイジー。
カルバン・クライン時代のマチュー 引用instagram@matthieu_blazy
マチューは、ウィメンズとメンズのデザイン副社長として「205W39NYC」ラインを任されていました。
ハリウッド映画が着想源となった「205W39NYC 2018SS」引用instagram@matthieu_blazy
このラインは、アメリカのカルチャーや映画、大学、NASA、カウボーイ、消防士など多様なモチーフを現代アート的かつ実験的に再解釈し、アート性や批評性を感じさせるデザインが特徴です。
強気な価格設定や独特な世界観がカルバン・クラインの顧客層と合わず、短期間で終了したものの、ファッション史に残る先鋭的なラインとして評価されています。
ボッテガ・ヴェネタでの輝かしい功績
2021年からは、ボッテガ・ヴェネタでクリエイティブ ディレクターを務めたマチュー・ブレイジー。
その斬新なデザインとビジョンでブランドに新たな生命を吹き込みました。
マチューのボッテガ時代の代表作は、ブランドの象徴であるイントレチャート(編み込み)技法を新たな表現で用いたバッグコレクションです。
アンディアモ ラージ 引用fashionpost
サーディン 引用norennoren
なかでも、金属製のノットをあしらったビッグサイズの「アンディアモ」、鰯を模したメタルハンドルがユニークな「サーディン」などは、アイコニックなバッグとして知られています。
さらに、2024年にはボッテガ・ヴェネタ就任後初となるファインジュエリーコレクション「ドロップ」「プリマヴェーラ」「カテナ」を発表。
「ドロップ」ピアス 引用vogue
特に「ドロップ」は、軽やかさと造形美を兼ね備えた新たなドロップモチーフが導入され、マチューの革新性を示す象徴的な作品となりました。
また、2025SSコレクションのメタリックなスリップドレスや、遊び心のあるヘッドピース、装飾パンプスも高く評価されています。
マチューの手腕は、ボッテガ・ヴェネタの伝統的なクラフトマンシップと独創的なクリエイティビティを両立させ、ブランドの現代性と成長を加速させました。
シャネルで新たな挑戦
2025年4月にシャネルに加わることが発表されたマチュー・ブレイジー。
彼はシャネルのアーティスティック・ディレクターとして、オートクチュール、プレタポルテ、アクセサリー全般を手がけ、同年10月に初コレクションを発表する予定です。
マチューは、ヨーロッパのクラフトマンシップへの深い敬意と、革新的な素材使い・現代的な感性を融合させるデザイン哲学を持っているデザイナーです。
この哲学は、シャネルのクラシックな美学や伝統的なコード(ツイードやリトルブラックドレスなど)に新たな解釈や驚きをもたらすと期待されています。
マチュー・ブレイジーを形作るもの
シャネルの新たなディレクターに就任し、ラグジュアリー業界のリーダーとして注目されているマチュー・ブレイジー。
ここからは、彼を形作るものについてお話します。
現代的な感覚と伝統的な職人技を融合
マチュー・ブレイジーは、現代的な感覚と伝統的な職人技を融合させるために、ブランドの象徴的な技法やクラフトマンシップをベースにしながら、モダンなアプローチやデザインを積極的に取り入れています。
マチューの代表作の一つであるパディングを施した軽量ナイロン素材の「スモール パデッド テック カセット」引用norennoren
例えば、ボッテガ・ヴェネタでは、伝統技法であるイントレチャートを、より太い幅で大胆にアレンジしたり、シンプルで洗練されたシルエットに落とし込んだりすることで、クラシックな美しさと現代的な新鮮さを両立させました。
彼の作品は、手仕事の温もりや素材の質感を大切にしながらも、現代のライフスタイルに合った実用性や新しさを追求しています。
チームワークと対話を重視する姿勢
マチューのインスタグラムには「ボッテガ・ヴェネタチームの皆様に心から感謝いたします。」という投稿も 引用instagram@matthieu_blazy
マチュー・ブレイジーは、チームワークと対話を重視したクリエイションを実践しており、彼はデザインチームや職人たちと密に連携しながらコレクションを作り上げています。
ボッテガ・ヴェネタでは、チーム全体で意見を交換し合い、協働することで新しいバッグやウェアを次々と開発しました。
また、歴史あるメゾンでの伝統継承や、製品開発における職人とのタッグを重視する姿勢が、ブランドの成長や高品質な物づくりに直結しています。
このように、マチューは独断ではなく、多様な視点や専門性を活かすチームワークを重視することで、革新的かつ完成度の高い作品づくりを実現しているのです。
ファッション界のミューズ「ケイト・モス」の大ファン
90年代のケイト・モス 引用vogue
マチュー・ブレイジーにとってケイト・モスは幼少期から憧れの存在でした。
彼は10代の頃から彼女の写真を集めたり、コラージュを作成したりしていたと語っています。
マチューはケイトの持つ「普通さ」と「特別さ」の共存、そして自由で反骨的な生き方に深く共鳴していました。
ケイトのように、個人の内面や生き方が表現に現れることを重視する姿勢が、マチューのクリエイションの核となっています。
ケイト・モスを題材にした雑誌「Fanzine」(マチューが10代の頃に作成したコラージュや切り抜きなどを引用して制作したもの)引用anothermag
ボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクター就任後、マチューはケイト・モスをランウェイやキャンペーンに起用し、自身の美学やブランドの世界観を体現する象徴的な存在として迎えました。
ボッテガ・ヴェネタ2023SSコレクションの会場セットために建築家ガエタノ・ペッシェが製作したチェアで、そのメインヴィジュアルに起用されたケイト・モス 引用10magazine
憧れの存在とともに新たな表現を生み出すこの試みは、マチューにとって特別なコラボレーションとなりました。
本と犬を愛する穏やかな性格
マチューの愛犬「ジョンジョン」引用instagram@matthieu_blazy
プライベートでのマチュー・ブレイジーは、本と犬を愛する穏やかな性格であることが複数の取材からうかがえます。
旅先では真っ先に現地の書店を訪れるとのこと。東京では神保町の書店を満喫したというエピソードもあります。
2022年にはニューヨークの書店「ストランドブックストア」とコラボ 引用instagram@matthieu_blazy
また、本や書店がクリエイションの着想源になることも。
愛犬家であることも知られており、彼の愛犬が公式コンテンツにも頻繁に登場しています。
2023年プレフォールコレクションに登場した「ジョン・ジョン」と名付けたウールジャカードセーター 引用manifesto.asia
なお、2023年にボッテガ・ヴェネタのプレフォールコレクションで発表されたウールジャカードセーターは、愛犬のジョン・ジョンにインスパイアされたものです。
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ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
圧倒的な美的センスと確たる手腕で、これまで数々の大手メゾンで活躍してきたマチュー・ブレイジー。
新たに率いるシャネルでも、彼は多彩な経験とブランドの美学を巧みに融合した作品を生み出してくれるでしょう。
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